チャットモンチー「完結」に寄せて

チャットモンチーが終わる、
終わるんだって
終わる?終わるのか

140文字じゃ到底おさまりそうもないし、四角く切り取った写真一枚で物語れるはずもないので、随分長く放ってあったここが打ってつけだと思いやっとこさ引っ張り出してきた

第一報は11/23、仕事帰りの電車の中だった
Twitterのトレンドに「チャットモンチー」とある
お、新曲?それともテレビにでも出る?などと考えながらその文字をタップすると、私の想像とは少し違っていた
そこには、LAST ALBUMの文字
ラスト、最後?
意味は、もちろん知ってる。でも、まさかそんなはず、と思う
心のざわつきのままタイムラインを遡ると既にたくさんの意見が飛び交っていて、早速哀しみに暮れる人もあれば、いやいやただのタイトルでしょとその意見を否定する人もあった
その中に「LASTには(形容詞ではなく動詞としてだけど)存続するみたいな意味もある」といったようなツイートを見つけ、少し落ち着く。というか、誰かもわからないそのつぶやきに、今はすがるしかなかった
その日はサーバダウンなのかなんなのか結局アルバム発表のリンクに飛べず、真相はわからずじまいだった

確定してしまったのは、翌日だった
ほんと今時だよなと我ながら思うけど、知ったのは前日と同じくTwitterのトレンドだった
再びの、「チャットモンチー」の文字
考えるよりも先にその文字を押しながら、昨日までの疑念は確信へと変わってしまった

チャットモンチーが、終わる

あああああ、と心の中で叫んだ。あとはもうなんだかよく分からなくて、夢中でタイムラインを遡って悲しむ人たちのツイートの隙間から公式ホームページへのリンクを見つけ、本人たちのコメントを読んだ
前日と同じ電車の中、変な汗をかきながら、喉がつまってなんだか気持ち悪くなった
チャットモンチーが、バンドが、時代が終わる
チャットモンチーは、その名前を脱いで新しいところへ行くのだと、そこには本人たちの前向きなコメントがあった

しかしここまでものの5分ほど、状況をやっと把握しただけでまったく飲み込めない、体に入っていかない

完結。彼女たちはバンドの最後をそう表現した
決して、解散とは書かなかった
それはファンへの配慮なのだろうか、それとも、敢えて本人たちが自分たちのためにそう言うことを避けたのか
この決断にはきっとあの前向きなコメントからは想像もつかない葛藤が、苦悩が、あったのではないか
だって簡単におしまいにしてしまうにはあまりに多くの人が彼女たちを愛し、その音楽に支えられてきた
そのことは、チャットモンチーとして表に立ち続けた彼女たち自身が一番理解していると思う
だからこそ、「完結」は彼女たちにとって大きな決断だったのではと思う

一話終えて次のストーリーに向かう度に、常に人々に刺さるものでなければならないという重圧もあったんじゃないかな
チャットモンチー自身がチャットモンチーでなければならないということに縛られてしまっていたのかな
ああ、何を言っても、所詮ド素人の戯れ事でしかないのだけど…

だって、こんなに書いても、少しも飲み込めないんだよ、戯れ事ぐらい言わせてよ
物語の最終話が決まってしまった、それもどこかで、絶対終わることはないとなぜかほんのり確信していた物語が
それがLAST ALBUMであり、年始に発表があるであろうラストライブなのだろう
最終話を読んでしまったら、あとはもう新しいストーリーは見れないんだよ、続くと思っていた彼女たちのストーリーが。繰り返し、今までの話を読みかえすだけ
もちろん今までの話があまりにも素晴らしかったからこそ、こんなにも憂いているのだけど
終わるなんて、夢にも思ってなかったんだよ

あーあ、チャットモンチーに限らず、無くなるってわかってから気づくことが多すぎるな
ライブもっと行けばよかった。ラストライブはなんとしても行こう

とは言え、先の音楽人生を考えての前向きな決断ということで、チャットモンチーという物語が終わっても新しい物語が始まるみたいだし。それが二人なのか一人なのかはたまた新しいメンバーが加わるのかそれはわからないけど、作者さん、期待しています

でもでもやっぱり今は、もう少しこの哀しみに浸らせて。
こころとあたま、離れてたらかなりしんどいから、今はどっちも正解にしてあげるね